遺言とは

遺言とは、日常用語としてもよく使用されますが、広く故人が自らの死後のために遺す言葉や文章のことを指します。

民法上の法制度での遺言に照らし合わせると、死後の法律関係を定めるための最終意思表示ということになります。

死後に故人がその意思を実現させるために制度化されたものが遺言で、生前に自分の財産を自由に処分できることを法律では認めています。

一定の書式によって定められた形式にそって遺言を作成しないと、法律上は無効になるので、注意を要します。

遺言は、非常に合理的なものですが、その作成方法は、昔の方法による遵守が厳格に定められています。

デジタル機器の発展が著しいですが、遺言は、パソコンで作ったり、カメラを使って動画として作成しても無効です。

要するに、デジタル機器を使った手法で、遺言は作ることはできず、昔の古い慣習を踏襲しています。

但し、エンディングノートで遺言を実現させることは可能で、自分の死後のことや認知症などに万が一なった場合を想定して記すことができます。

自分自身の思いを見つめ直したり、家族へのメッセージとして残す意味合いでは、有効な遺言の手段と言えます。

親族間の揉め事を避けたい場合や、痴呆になった場合の財産的な行為は、遺言を作成しておけば後でとても役に立ちます。

相続に関しては、遺言がないと、民法の規定により、法定相続が行われるのが原則となっています。

遺言がない場合は、通常、遺産分割の協議が行われるのですが、遺産分割が原因で揉めることはよくあります。

遺言がないと、自分の相続分をしっかり主張できない場合があり、自宅を泣く泣く手放さざるを得ない事態も発生しかねません。

遺産は平等に法定相続分通りに分けて欲しいものですが、現実は揉めることが多いので、遺言はとても有効です。