iPS細胞と網膜再生

iPS細胞は、網膜の再生治療の目標を掲げていることで、医学界から注目を浴びています。
iPS細胞は、網膜の治療開発に余念がなく、視細胞移植、網膜再生薬、検査法開発などによって、その進展を図っています。
現代の難治性網膜疾患を治療可能にするため、iPS細胞は、大きな期待がかけられています。
実際、iPS細胞から、生体内のRPE細胞と同じ機能を有するRPE細胞を分化誘導することに成功していて、高く評価されています。
そして、そこからRPEシートを作製し、移植する技術をもiPS細胞は既に開発していて、実用化に向けて邁進しています。

iPS細胞は、その優れた多能性を有する能力により、無限に増殖する力かがあり、人工多能性幹細胞と言われています。
2006年、京都大学の山中伸弥教授が世界で初めてiPS細胞の作製に成功して、大きな注目を集めることになります。
当初iPS細胞は、ウイルスを使って遺伝子導入をしていたことから、ガン化などの異常が懸念されていました。
しかし、今現在は、iPS細胞はそうした問題点を克服し、そうしたことが起こりにくい方法によって作っています。

iPS細胞の研究は、人工網膜を超えたという意気込みがあり、10年後にはできれば患者に文字を読ませたいと述べています。
10年後には是非、目標を達成してもらって、iPS細胞で、多くの網膜の患者が救われることを期待したいものです。
しかしながら、網膜再生のiPS細胞の研究はまだ始まったばかりで、網膜再生は、今はまだ視細胞ができた段階にすぎません。
実際、iPS細胞が試験段階まで進んでいる人工網膜を追い越すのというのは、至難の業であることに違いはありません。
あまり過剰な期待をせず、iPS細胞の研究成果が長い目で、網膜の再生に寄与してもらいたいものです。